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洋裁が得意な母と、日曜細工は何でもござれ!な父からのDNAを引き継いだのか、
私も作る事なら何でもしてみたい子供時代でした。
家には何かしら材料があったので刺繍糸や布を分けてもらって
何度も指に針を刺しながら、刺繍入りのなんちゃってポシェットや、
フェルトのマスコット、などを作っていたのを覚えています。
眺めるだけだったつまみ細工
社会人になってすっかり手芸から距離ができてしまっていた頃、
母は下げ雛や、着物の古布を使った小物にハマっており、
作り方の本を見つけては集めていました。
その中につまみ細工のお花が表紙になった本に目が止まりました。
「なんて丸くて可愛い花なんだろう」すごく気になったのですが、
当時は、それがつまみ細工で、丸つまみで出来ているなんて全く知らず、
作り方を見ても、よくわからないし、それ以上作ろうともしませんでした。
でもやっぱり気になるので、可愛いなあ〜と写真を眺めるだけでした。
きっかけは姪っ子の誕生
本の表紙のつまみ細工に出会ってから、10年以上経ち、
姪っ子が産まれ、母がうさぎの下げ雛を送りたいと作り始めました。
あれこれ凝った作りでとても可愛いのですが、なかなかの超大作なデザインで、
これは初節句に間に合わないかもしれない。。。と
できるところだけでも手伝うことになりました。
私に任されたのはうさぎの間に飾る、つまみ細工のお花のくす玉の部分。
縫いつまみの方法でしたが、真四角の生地を折って花びらにして。。。
の延々の繰り返しの楽しいことといったら!!
久しぶりに何か作ることというのも新鮮で、すごく楽しかったのです。
下げ雛は無事に完成し、姪っ子の初節句に間に合いました。
そして私は、七五三に髪飾りを作ってあげたいと思ったのです。
練習の日々
3歳まで2年あるけれど、すぐにできるようになりたくて、
教室を探しましたが通えるところに見つかりませんでした。
ならば独学でやるしかないと、
昔見た母の本や図書館で本を借りてきたり、
つまみ細工の職人さんを取材した古い古い映像の、
つまんでいる手元が映るところを見つけたり、
京都に本物を見に行ったり、
「つまみ細工」の検索で出てくるものを片っ端から見つけては、勉強しました。
でんぷん糊との格闘
ボンドで作る方法が出てこなかったこともあって、
接着が少ない澱粉のりには何度も途方に暮れました。
折った布はすぐに開くし、できたと思っても形が崩れるし。。。
「なんでー?」の連続、生地の厚さや大きさ、糊の硬さなど、何が違うのか?
うまくいくまでひたすら練習の日々。
生地は絹ならいいのかな?と生地もどこで買っていいのかわからず、
母の古布の端切れをもらっての練習でした。
それが今でも着物地を使うきっかけです。
箱いっぱいの失敗作。それでも奮闘した日々の思い出で、
愛着があって今でも取ってあります。
そういえば着物生活をしたことない、どうする?
そうしているうちに、何とかコツを掴んで、うまくできるようになってきました。
せっかくできたので、
まず自分でも使ってみたいなあと思い始めます。
が、またここで壁に当たります。
それは私自身が着物生活でないこと。
つまみ細工といえば和装に合わせる小物。
唯一持っているのは浴衣ぐらいで、それも何年も機会を逃して着ることもなく
クローゼットに眠っています。
せっかく上手くできるようになったのに、完全に洋服の私が合わせるには、どうやって使おう、、と思いついたのがコサージュやブローチにアレンジする事でした。
少し持っていたビーズやレースを合わせてみたら、案外いい感じに出来上がったのです。
うまくできたら見せたくなる
だんだん作りたいものの形に作ることができるようになってくると、
恥ずかしながらも今度は人に見てもらいたくなって(笑)
まずは母、友人、そして、
始めたばかりのSNSに少しづつ写真を載せたりしていきました。
そしていよいよ委託のお店の持ち込みに!!
何軒も断られましたが、諦める選択肢がなかったのが今でも不思議です。
そして最後に見てもらったお店の店主さんが初めて「珍しくて、いいですね」
と認めて下さって数点置いてもらえることになったことが作家としての一歩になったのです。
そして、最初の目標だった姪っ子への髪飾りですが、3歳、7歳と付けてくれました。
とここまで、長文になってしまいましたが、
*Hanairoとして活動を始めるまでのお話です。
最後に、*Hanairoの名前の由来を少し。
いろんな花の色を使ってみたかったので、花色、ハナイロ、はないろ。。。と名づけました。
それをフランス語や英語にしてみたらオシャレになるかも〜?なんてことも考えましたが、
覚えやすくて、親しんでもらえるのが一番!と日本語のままにすることにしました。
でも、ローマ字にして*を付け足してちょっとカッコ付けちゃいましたけど(笑)
これからも少し変わった、どこにもないつまみ細工、親しんでもらえるつまみ細工を
研究し続けていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
どこかのイベントで、通販で、講座などで、
作品を見ていだだける機会がありましたら幸いです。
*Hanairo 小山友美